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XP-54は、アメリカ合衆国のバルティ社が製造した試作戦闘機。単発の推進式プロペラを有し、2本のビームで尾翼を支える形式という特異な形状であった。1943年1月15日に初飛行している。搭載予定の大出力エンジンが完成しなかったこともあって、2機の試作のみに終わった。 == 概要 == 1941年にアメリカ陸軍航空隊はレシプロ機の限界を打ち破るべく周回計画(Circular Proposal)R40Cという単発の迎撃機の仕様を航空メーカー各社に提示したが、この中において先尾翼機のカーチスXP-55と、無尾翼機ノースロップXP-56と共に試作契約を勝ち取ったのが本機である。胴体の後ろにプロペラを置く推進式の型式を採用した。同じ形式は日本陸軍のキ98、日本海軍の閃電やスウェーデンのサーブ 21が採用している。この機体形式とプラット&ホイットニーが当時開発中だったX-1800-A4Gエンジンを組合せることにより、最大速度は821km/hが可能とバルティー社では計画していた。 その後X-1800-A4Gエンジンの開発が中止になったため、代わりにライカミングXH-2470エンジンを搭載することになり、機体の設計も大幅に変わり対爆撃機用の高高度迎撃機として開発されることになった。本機は様々な新機軸を採用していたが、特に乗員の搭乗に関する機構は、パイロットは胴体の下面から下がってくる座席に乗ってエレベーター式に操縦席に乗り込み、緊急脱出時はシートごと胴体下面に射出するという珍しい機構を採用していた。さらに武装を収めた機首部を+3°~-6°の範囲で可動式とした。 新機軸を多数盛り込んだために開発は遅れ、試作第1号機の初飛行は1943年1月15日となった。初飛行ではプロペラが不調だったため、30分余りの飛行で終わってしまった。その後もテストは続けられたが、ライカミング社のエンジン(元々海軍向けに開発中の試作エンジンだった)はトラブル続きで予定の出力が出ず、また機体重量がP-51の約2倍ということもあり最高速度は612km/hしか出なかった。試作2号機は、ターボ過給器を改良していたが、これもエンジン不調に悩まされたった1回の飛行で、1号機ともども工場に戻されることになった。その内にライカミングXH-2470エンジンの開発中止が決定したため、本機の開発計画は自動的に消滅する形になった。さらに強力なライトR-2160トーネードエンジンを搭載する計画にXP-68の名前があたえられたが、これも搭載エンジンの開発の目処がたたず開発中止となった。 なお、本機は第二次世界大戦時の単発戦闘機で最も全長の長い戦闘機であるという話題になったことがある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「XP-54 (航空機)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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